ほいっぷ

Aromantic Asexual A-spec 一人の全ての人

薬が飲めるようになった

 

この度

 

私は錠剤が飲めるようになりました!

 

ヒュー!パチパチパチ!

 

いい歳こいて何言ってんだと自分でも思いますが、これは私の人生における重大ミッションの一つだったのです。

なぜなら錠剤が飲めないと、粉薬をわざわざ出してもらわねばならないからです。

 

どうやら世間では粉薬の苦手な人が多数を占めるようですが(私調べ)、私は世にも珍しい

 

粉薬ドンと来い

 

タイプです。

 

粉薬だ〜いすき。苦くても全然オッケー。

むしろ変に甘みがついている方が飲みづらい。

と思うくらい、粉薬適正が高すぎる。

 

ところがですね。私は薬剤師じゃないから詳しいことは分かりませんが

 

粉薬って量が増えません?

 

気のせいかな......そりゃ単純に包装がデカいからというのはあるけど。

もしかして粉薬にすることで「錠剤やカプセルなら一つにまとめられるんだけど、粉薬だと2〜3種類に分けないといけなくなる」みたいなことが起きてるんじゃないか?と思うくらい量が多く見えます。

 

それにどれだけ私が

 

「粉薬好きなんです!粉薬にしてください!」

 

と言ったとしても、この世には粉薬にできる薬とできない薬があるらしく(いや知りませんけどね)、「頼んだところで無理」ということもあります。

 

そういう時薬剤師さんは決まって「これは小さいから飲みやすいですよ」と仰るのですが、私はこういう台詞を信用していません。

 

前漢方のお店に行った時。「丸剤」と呼ばれる球状の(カエルの卵というかウサギのウ○コの縮尺版というか袋の詰め方も相まって魚の餌というかetc.)漢方薬が大量に入った袋を渡されて

 

「これしかないけど小さいから飲めるよ!」

 

と言いくるめられ購入したことがあります。しかしフツーに飲みづらく(しかも一粒じゃくて何粒も飲まなければならなかった)飲むのが苦痛になって、結局、ほぼ手付かずの状態で全捨てしてしまったことがあるからです。あぁ今思い出しても胸がズキズキする。金をドブに捨てた記憶はそう簡単には消えない。

 

なのであれ以来、いかなる大きさの粒も錠剤も信用していません。

もう騙されないぞ。

 

錠剤を飲めないことには弊害もあります。

 

私は「錠剤やカプセルが飲めないこと」に対して多少のコンプレックスはあるけれどそれに対して恥じらいというものはないし、飲めもしない薬を処方してもらうわけにもいかないので、前もって「錠剤は飲めません」と申告してあります。なので、向こう(薬局)も、私がいい年して錠剤が飲めない人間であるということは、ちゃあんと把握しています。

 

ところが

 

「人間は成長するものである」

 

という信念を持っているのか、はたまた

 

「薬なんぞ誰でも飲めるやろがい」

 

という信念を持っているのか何なのかは分かりませんが、カウンターの向こう側の薬剤師さんは毎度

 

「錠剤......まだ飲めるようにならないですか?」

 

と、優しく眉をハの字にしてお聞きになります。

 

とても気を遣ってくださっている。

 

申し訳なさすぎる。

 

そして薬局というのは、大抵こじんまりとしているものです。あんまりバカでかい薬局というのは見たことがない。私の行きつけの薬局も例にもれずこじんまりとしていて、それはつまり、受付カウンターと待合室のベンチとの距離がとっても近いということです。

 

ということはですよ。

 

「錠剤まだ飲めませんか?」

 

「はい。飲めません」

 

のやり取りが、後ろで待ってる人たちにも聞かれてるわけですよ(どうして分かるのかって?そりゃ私が他の人のやり取りを聞いてるからですよ)

 

先ほど私は「(錠剤が飲めないことに対して)恥じらいがない」と書きましたが、それは相手が薬剤師さんだからです。見ず知らずの人たちにまで知ってほしいワケがないでしょうが。

 

と考えると、スムーズに錠剤を貰えた方がいいのは明らか。でも飲めないもんは飲めないし。

 

と思っていたある日突然。

飲めるようになったのです。

その時は

 

クララが立ったばりの感動が押し寄せてきました。(※ハイジ未履修)

 

どうやったのかというと、それまで「薬を含む→水で流す」という順番だったのを逆にして、「水を含む→薬を入れる→飲む」に変えただけです。

 

たったこれだけ。

 

順番を逆にしただけ。

 

私の数十年に及ぶ苦労は一体......

 

でも普通、「薬を口に入れてから水で流す」と思うんですけどね。そういうイメージがあるんですけど。ドラマとか映画でもみんなそうやってると思うんですけど(最後の悪あがき)

 

まぁ何はともあれよかったです。

 

私はずっと

「錠剤が飲めない」

ことが地味にコンプレックスでした。

だって子どもでも飲めてるんですよ。

 

たとえばドラマの『クイーンズ・ギャンビット』。

子どもたちが列になって薬を受け取り、

次々と飲むシーンでは

 

「待て待て、カプセル型だぞ」

「それも2錠?」

「水足りるか?」

 

と一人で驚愕し、落ち込んでいました。

 

主人公ベスに至っては自分の頭より大きなガラス瓶から直接浴びるように飲み込んでました。水なしで。信じ難いです(他の人はベスの脅威的な嚥下機能に驚いてたわけじゃないよ)

 

でもこれでようやく、私もベスと同じレベルに立てたということです。

錠剤が飲めるという点において。

 

さて、最後に関門が一つ待ち構えています。

 

錠剤が飲めるようになったのは喜ばしいです。

 

しかし今後薬局に行った時、薬剤師さんに

 

「もう錠剤飲めます!」

 

と宣言しなければなりません。

でないと、永遠に粉薬が出てくる。

 

ということはそれを、他の人の耳にも入れなければならない。

 

......気が重い。

 

しかしここさえ乗り越えれば、あとは自由な錠剤ライフがまっています。

 

何も言わずに錠剤を渡してもらえる、素敵なハッピー錠剤ライフが。

 

そんな日まであともう少し。